「仕事が終わらない」とお悩みではありませんか?

日々、多様な業務をこなす管理栄養士・栄養士さんの上手な時間の使い方について、社会福祉法人 共愛会 特別養護老人ホーム 共愛の里 管理栄養士 栗野先生にお話を伺いました。


「時間がない」「仕事が終わらない」「新しいことをやる余裕がない」などの声をよく聞きます。

やりたいことはたくさんある、もっと入居者さんのためにという想いを持ちながらも目の前の仕事に追われている栄養士さんもたくさんいるのかなと思います。

私もその1人です。新人時代は仕事量の多さに、終わりが見えず、毎日残業でした。

もちろん、仕事に慣れてきて、能力が上がれば解決できることもありますが、意識して時間管理、行動管理をすると、より入居者さんのために時間を使うことができ、楽しくやりがいを持って仕事に取り組むことができます。

私もまだまだですが、新人の頃と比べると少しは時間の使い方が上手になったと思いますので、そのお話をさせて頂きたいと思います。

ポイントは3つ!!

優先順位を明確にする


「優先順位をつけないから、全てが重要に見える」

時間管理、行動管理というと「どう効率よくやるか」ということに注目しがちですが、「効率性」だけでなく、「効果性」も大切です。「もともとやるべきでなかったことを効率よくやることほど、非効率なことはない」というピーター・ドラッカーの言葉があります。初めてこの言葉を聞いた時、すごく心に刺さったのを覚えています。毎日目の前の仕事に追われて、こなすことに精一杯で、でもまだまだ仕事が山積みだったり、達成感がなかったりということはありませんか?

目の前のことをこなすことではなく、求められている役割を果たすことが、仕事の充実、達成感に繋がります。役割を果たすことで周りからも評価され、栄養士としての信頼も生まれます。

 

優先順位のつけ方として「パレートの法則」をご紹介します。

パレートの法則とは、「結果の8割は、全体を構成するうちの2割の要素によって生み出される」というものです。今時間をかけている仕事が栄養士として求められていること、結果を生み出していることなのか。やらなくてもよい仕事ではないが、時間をかけなくてもよい仕事はあると思います。

時間をかけなくてもよい仕事については、マニュアル化やルーティン化で対応するなど、かける時間を最低限にしながら今と同じ結果にするために、どうしたら良いかを考えてみると良いと思います。

施設によって状況やルール、栄養士の仕事内容は違うと思います。やり方ではなく、考え方を伝えてみなさんのお役に立てればと思っています。それぞれ状況も経験値も違うからこそ、自分で自分の仕事のやり方を見て、どこに一番時間を使っているのか、それで結果は出ているのかを客観視して、どうしたら効率よく効果的に仕事ができるかを考え試行錯誤していく力が大切だと思います

 

ミスやトラブルに対しての仕組み作り


ミスやトラブルが起こると、それに対応するために時間がとられます。

本来ならやることはなかったことです。それは時間がもったいないですよね。

ミスやトラブルが起こらないような仕組みとして、「共有」「相談」「報告」があります。

 

ミスやトラブルが起こる原因として、誤った判断、コミュニケーションが上手くとれていないことによる認識のズレ、経験不足などがあげられます。それをカバーするのが「共有」「相談」「報告」です。

今自分がどんな状況なのかを周りに共有しておくことで、ミスする前に助言をもらえたり、力を貸してもらえます。相談も大切です。決定事項や結果だけを伝えるのではなく、その課程や進行状況も共有しておくことで、スムーズに物事が進みます。

責任を持って仕事をすることは大切ですが、自分だけで抱え込むと、視点が偏ったり、負荷がかかりミスしやすい状況を作ってしまいます。周りの人の力を借りることができると、違う視点からのアドバイス、ミスやトラブルを事前に防ぐことができます。

 

ミスしないことが、一番の時間節約ですが、とはいえ、人間はミスをするものです。

先程は起こる前の事前対応のお話でしたが、今度はミスをした時に対応できる仕組み、事後対応についてお話します。その仕組みとして重要なのは「危機管理能力」です。

起こりうるトラブルを想定して準備しておくことで、実際にトラブルが起きても焦らずに対応でき、準備している分、対応にかける時間も少なくて済みます。

 

先延ばしにしない、中途半端にしない


先延ばしにしたことで、忘れてしまって期限ギリギリになって焦ってしまった経験はありませんか?

次から次へとやることや問題が起きて、後にしようと思っていたものを忘れてしまったり・・・また途中やりのものがたくさんあると覚えていられなかったり、気持ち的に焦りが出てしまったりしませんか。

なるべくなら、現在進行中のもののリストは少ない方がいいですよね。終わらせられるものは終わらせる、まだ取りかからなくて良いものは取りかかる日程を決めてそれまでは触らない。というようにやらないことを決めるのもポイントです。

 


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プロフィール

栗野先生

社会福祉法人 共愛会 特別養護老人ホーム 共愛の里

管理栄養士
インスタグラムでの施設の取り組みやお食事をご紹介やコラムの執筆など多方面でご活躍されている。

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