コラム|認知症など、食べられない方への対応の仕方

認知機能の低下、食欲不振、摂食嚥下機能低下によって、食事が食べられない方への対応について、中村先生にお話を伺いました。

 

認知機能の低下による場合


認知機能が低下すると食べ物と認知できなかったり、箸やスプーンなどの使い方が分からない、食べ方が分からない等により、食事量が進まないことがあります。味の無い水やお茶を飲みたがらない、嗜好の変化もあります。

食べ方が分からない、食器の使い方が分からない場合は、食べ方を説明したり、一緒に食事をしてあげると安心します。手づかみ食も食事量の改善に効果的です。

水やお茶は少し甘くすると飲みやすいです。スポーツドリンクを水で薄めても良いです。嗜好の変化に対応できるよう、好き嫌いや食べ方を注意深く見る必要があります。

食欲低下による場合


 食欲が低下する原因は様々です。もう歳だから食欲が低下しても仕方がないと思わず、食欲が低下する原因を探してみましょう。口腔内の問題、精神的問題、多剤の問題、運動量の低下、疾病の進行、生活環境の変化等、意外なことが原因だったりしますので、本人の話を根気よく聞いてみましょう。

摂食嚥下機能低下


摂食嚥下機能低下が進行すると、食べられる量が減る、食形態が粒の無いペースト状に近くなり、食欲低下、食べられる食品の制限がみられます。水分もとろみをつける必要が出てきます。ペースト状だと、何の料理なのか分からないことが多いですので、口に入れる前に料理名を言ってあげて、料理をイメージしながら食べると良いです。

 

市販の介護食品で簡単アレンジ


 嚥下調整食を毎食用意するのはとても大変です。食べる人のことだけでなく、作る人の健康を考えて、介護食品も同時に利用しましょう。そのまま使っても美味しいですが、色々な食材と組み合わせた簡単レシピを、お勧め致します。家族全員が無理なく、元気に生活できることは、とても重要です。

 


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プロフィール

中村 育子先生

平成6年女子栄養大学栄養学部卒業  現在、名寄市立大学准教授で、日本在宅栄養管理学会 副理事長、名寄市社会福祉協議会「こんにちはレター」の簡単健康レシピ協力を行っている。

著書に「70歳からのらくらく家ごはん」女子栄養大学出版部、「やわらかく、飲み込みやすい高齢者の食事メニュー122」株式会社ナツメ社などがある。

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