摂食嚥下障害の対応方法-口の中にため込む-|摂食嚥下ラボ【コラム】

どんな様子でためこんでいるか


・噛めないために食べ物をのどに送り込めずためこむ

・ずっと噛み続けているのに、口の中に食べ物が残ったまま

・噛んでいるような動きをしているが、いつまでも飲み込まない

 

口の中にため込むことは誤嚥のリスクを高くする


ゼリーやおかゆなどは、温度や唾液中の酵素によって液状に変化し、早い速度で喉に流れ込むことがあるので、ためこむ人には不向きです。

 

ためこみを防ぐには?


・姿勢を工夫する

重力で食べ物がのどの中にゆっくりと滑り落ちるような姿勢になると、飲み込みが容易にできることがあります。

・目が覚めている時間に食事をする

食事の途中でくたびれて、口の動きが止まってしまう場合は、食事の量を減らす、何回かに分けて食べるなどの工夫が必要です。

・誤嚥を誘発しにくい形状にする

ペースト食など、スプーンですくいやすくばらばらになりにくい形状

・認知しやすい食品にする

味にメリハリのあるものの方が食べ物と認知されやすい

・口の反射を利用する

口の中に食べ物を入れたあと、少し口を動かしてすぐに動きが止まってしまう場合には、何ものっていないスプーンをもう一度口の中にいれてみましょう。動きを誘い出すことができる可能性があります。

―口の反射を利用する―

 

・声かけで飲み込みを促す

「しっかり飲み込んでから、次のものを食べましょう」と声をかけて口に入っているものを飲み込むように促してみましょう。

 


★摂食嚥下障害に関する基本的知識から実践的な対応方法、介護食(嚥下調整食)の作り方までご紹介!

摂食嚥下実践ラボはこちら

★そのほかのコラムはこちら

★おすすめのコラムを配信!メールマガジンのご登録はこちら


本コラムは下記よりPDFでダウンロードができます。

プロフィール

菊谷武先生

昭和63年日本歯科大学卒業 現在、日本歯科大学教授で、東京小金井市にある同大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長を務める。クリニックでは、「スプーン一杯でも食べさせてあげたい」「他の子と同じように上手に食べて欲しい」と求める介護や療育の現場で摂食支援を行っている。

著書に『認知症「食事の困った」に答えます』女子栄養大学出版、『食べる介護がまるごとわかる本』メディカ出版などがある。

一覧へ戻る

TOP